香山リカさんの『女性の「定年後」 ~何をして、何をしないか~
を読みました。
0710

出版された2018年7月時点で57歳の香山さん。
50代ごろから抱える悩みや問題を、自身の経験談などを交えて綴られていました。

1章 いつまで働く?「誰かに必要とされたい、でも…」

2章 「老い」から逃げる
   あまりに「若い」定年後の女性たち

3章 定年後の女性たちの「恋愛事情」
   「死ぬまで愛し、愛されたい」

4章 おひとりさまの「定年後」
   漠然とした「不安」

5章 避けられない家の問題

6章 ずぼら医師だからこそ定年後の健康法

7章 それでも私たちは老いていくから

私は50代になるまでまだ時間はあるけれど、死ななければいつかは通る道。
ちょっと50代からの世界を覗き見してみたい、くらいの軽い気持ちでこの本を手に取ったのですが、読み進めていくうちに暗い気持ちに…


IT化についていけず、会社に定年までいていいのか悩む50代女性…

夫が定年後、家でため息ばかりついている…

老いへの恐怖…

「どうせ傷つかないだろう」とセクハラ発言をされる…


などなど、我が身にもふりかかってきそうな事例がてんこもり。
ついつい自分の身に置き換えて想像してしまって暗い気持ちになってしまいました。

逆に勇気付けられたことも。
香山先生は「総合診療科」という新しい科で再研修を受けており、
週に一度、その科の外来で診察をしながら若いドクターたちから教えてもらっているそう。
総合診療科のスキルはまったくなく、1からまわりの人に教えてもらわなければならない。

そういうとき、もし私が30代か40代前半なら、もしかすると30代の男性ドクターに声をかけるときにちょっと異性であることを意識したかもしれない。あるいは、「あまりなれなれしくしすぎて誤解されたら困るから」となかなか声をかけにくかったということも考えられる。

それが「50代の再研修医」の私は、そういうこだわりがいっさいなく、若手のドクターが男性だろうと女性だろうと同じ感じで、
「すみません、この検査値なんですけどどう解釈したらいいのですかね」
「先生、すみません。いま診てる新患、聴診器で心雑音があるように思ったんです。でもあまり自信ないんで、先生も聴診してもらえませんか」
などと、なんでもきいたり頼んだりできるのだ。

「50代って、目の前の霧が晴れる年齢なんだなあ」
こんなふうに、いま私は、つくづく思っている。「恋愛に発展するかも」という意識から解放されるのは、なんてすばらしいのか、という感じだ。
若手のドクターたちが親切で、いやな思いをすることなく有意義な時間を過ごしているそうです。
いい研修先に出会えてうらやましい。
50代から新しいことにチャレンジして、受け入れてくれるって素晴らしいです。
私もそんな場所に出会えるといいなぁ。


あと、男性に勘違いされては困る、というこの感じ、女性ならあるあるなのではないでしょうか。

私も職場で「その髪型すてきですね」と男性をちょっと褒めたいだけなのに、誤解されると困るので、褒め言葉を何度も飲み込んだことがあります。
これは女性側の自意識過剰でもなんでもなく、現にそれだけのことで勘違いをする男性がかなりの数いるということ。
女性慣れしてない男性(女きょうだいがいない、男子校出身など)に、特にその傾向があるように感じます。

それが50代は吹っ切れるのかぁ。
年を重ねるいい部分が知れて良かった。


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